木材店が造る木の家 益子材木店

LVLと呼ばれる土台

date 2010.09.13

私個人的には、決して「木材」と呼べるものではありませんが。

これを初めて目にした時は、ほんとうに驚きました。それは日課にしていた散歩の途中、弊宅から10分ほど歩き始めたところにあった小さな分譲地の建築現場でした。
その時周囲にはまだ空き地が多く、遠目から「ここでも始まったのか…」との軽い気持ちで近づくと、コンクリート基礎の上にあるものは日頃見慣れた土台ではありません。

LVL土台

これはナンダ?
現場の周囲に誰の姿もないことを見ると、すぐさま自宅に引き返してカメラを取り出し、再び現場に取って返して慌ててシャッターを切りました。
そしてしばらく、これをジーーーィと眺めました。コンクリートの基礎があってその上に乗っかって、さらアンカーボルトで締めてあって…。どこをどう見ても土台です。

急遽散歩を取り止めて自宅に戻り、早速この部材について調べました。
するとこれは「乾式加圧防腐防蟻構造用単板積層板」と言い、通称「ラミネート・ベニア・ランバー」、略称「LVL」と呼ばれるものでした。

LVL土台

その後しばらく、散歩の際には必ずこの現場の前を通りました。どんな建物ができるのか、大工さんはどこから通うのか、運が良ければ建て主さんの姿を見るかもしれない…。
しかし期待に反して工事中最後まで、建て主さんの姿はありませんでした。

LVL構造材

上の写真、左側が梁などの構造部に使われるLVL、右側が土台用です。
その後いろいろ聞くと、この部材は既存の木材流通経路で取り扱われることはなく、すべて物件一棟ごとの受注生産品とのことでした。また、すでに柏市内の建設会社が、受注した物件全棟の構造材に取り入れているとも。己の勉強不足を恥じました。

二階梁などの横架材に、積層の集成材が当然のごとく使用されるようになって数十年。またその集成材も、防腐処理を施した土台用集成材が流通するなど、建築用木材も多種多様化しました。そして今度は物件全体の荷重が掛かる土台に、合板と接着剤に依存した部材が使われるとは、まったくもって私の守備範囲以外です。

この物件の建て主さんは、どのようなお考えでこの部材を選択されたのでしょう。徒歩10分のご近所さんです、機会があったらぜひ尋ねてみたいものです。

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