date 2011.11.16
この「1.0km」ポストを過ぎて間もなく、現在の国道4号線「日光街道」と国道17号線「中山道」と合流します。
「中央通り」を折れると高くそびえる三井本館、千疋屋総本店、そして日本橋三越が並びます。その西側には日本銀行本店がある、昔も今も日本経済中枢の前を通過します。
そして三越前の交差点から、首都高速道路の高架に「日本橋」の三文字を読むことができました。
下総松戸から07時間37分、取手から足掛け二日掛けてお江戸日本橋です。到着後、恥ずかしながら道路元標の脇に座り込み、しばらく呆然と道行く人を眺めていました。
頭上の高速道路には、疾走する数多くの車が見えます。壁のように建ち並んだ見上げるほどのビル群。目の前の交差点を慌ただしく行き来する車と人の波。
目に映る現実は、間違いなくこの国の豊かさです。
ここから「鉄道を使って帰ることができる」という考えが、半ば当然のように前提としてあり、その利益を受ける対価として相応の金銭を支払うことに、なんらためらうこともありません。
しかし今ここで、このすべての経済活動が停止すると、私は自宅まで戻るのに丸二日掛けて歩き続けなければならないことがわかりました。
人間の最も基本的な「歩く」という動作と、それを支えてくれる豊かな経済のありがたさを、五十路を前にして改めて確認することができた二日間でした。