木材店が造る木の家 益子材木店

2×4(ツゥーバイフォー)工法と雨

date 2012.02.01

一般に「ツゥーバイフォー工法」と呼ばれる建築工法があります。
北米で広く普及発達した工法で、柱や梁を使わずに幅2inch、高さ4inchの部材を使ってフレームを組み、床面と壁面とで構造部とする工法です。この工法の長所は、地震などの外力に対して強いこと、完成までの工期が短いこと、そして気密性が高いことなどがあげられます。

とまぁ、ここまではよく2×4住宅のパンフレットに大きく書かれてある謳い文句です。

さていざ工事が始まり、工法上一般の在来木造住宅と、この2×4住宅が決定的に異なる点は、在来の木造軸組工法が構造軸組部を施工した直後に屋根面の施工に取りかかることに対して、多くの2×4住宅は下から、つまり土台、一階床面、一階壁面、二階床面、二階壁面と続き、屋根面が覆われるのは構造上最後になります。

しかしこのことは、不思議と建て主さんにあまりよく知らされてありません。

降雨の一階床面

上の写真。一階床面の施工が終わって、一階壁面に取りかかったところで雨が降りました。屋根がまだありませんので、当然のように雨は容赦なく床面の構造用合板に降り注ぎます。
おそらく床面の下には、この住宅のウリでもある気密性を考慮して、なんらかの断熱材が床下一面に敷き詰められているでしょう。残念ながら、構造用合板の繋ぎ目からこの雨水がさして断熱材も濡れていること考えるのが自然です。

降雨の翌朝

そして一夜明けた翌朝、終日降り続いた雨が上がった一階床面です。もちろん床面は水平を保って施工されていますから、床に溜まった雨水はどこにはけることもなく、人の手によって取り除かれるか、あるいは時間をかけてお天道様に任せて乾燥されるまで、こうして床面に居座り続けます。それでも床下の断熱材まではその手が届くとは考えにくい。

二階床面を施工後

さらに別の2×4工法の物件。二階床面を施工後、二階壁面を組んでいる過程で雨が降りました。工事を進める大工さんも、ブルーシートで降り落ちる雨を除けながらの作業です。ここまでの工程で、屋根面が覆われるまで少なくともあと四日間は必要でしょう。

このようなごく当たり前の気象条件の下、我が国でこの2×4工法の住宅を建築するには、

・着工から屋根面が施工されるまで、物件を仮の建て屋で覆う。
・着工から屋根面が施工されるまで、絶対に雨が降らない。
・雨水に濡れた一階床下の断熱材を、瞬時に乾かす方法がある。

など、屋根が覆われるまでの降雨を配慮した条件が必須かと思います。

今後どうしても、この2×4工法を選択されてお住まいを建てようとお考えの皆様、砂漠の真ん中ならまだしも、我が国では古来より「晴れの日は三日持たぬ」と言われます。
このことを2×4建築会社営業担当者とよくご相談の上ご検討ください。

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